徒手空拳

――― 戦場の真只中 ―――

あまりに無策な政治と、人々の意識の低さに猛威をふるうコロナという感染症。

果たして人類は、この戦いに打ち勝つことが出来るのか? 出口の見えない迷路のようなこの現状を打破する力が、我々にあるのか? 世界的な惨状に人類の滅亡のカウントダウンを聞いているような氣がするのは筆者だけだろうか?

異常気象による災害が、そうした思いに拍車をかける。

文明という自然破壊による地球温暖化は、人類が犯した様々な欲望の果ての結果だが、その代償はあまりに大きい。

その目前にあるその現実を我々は直視しない、いやできないのか。簡単に日々の生活の中に埋もれさせて行く、特に日本はひどい。どうしようもない政治家と官僚の現実は、本当の意味での民主主義社会の成熟のできていないことを知らしめている。

理想的な国家社会は? と問われるとなかなか答えが見つからないが、少なくとも日本では教育の再考から始めるべきだろう。現状の日本の教育は、第二次世界大戦の敗戦時の、アメリカの骨抜き政策によって、良き日本人の精神性を壊滅させた。いわゆる本来我々が持っていた、強く美しいモラル(道徳)が失われたのである。本当の残念なことである。

二世三世の世襲による政治家が、我が物顔で国の頂点に立ち、国民を導く。いい国になる訳がない。社会主義者きどりのえせ人権派の政治家が、枝葉末節の問題を声を大にして叫ぶ。過去に一度、腐敗しきった保守政権にNOと突きつけ政権を任せたものの、あまりにお粗末な政治に失望した経験を持つ我々は、すでにそのことを忘れて、右往左往する。いろいろ言っているのは、あの時のあいつらなのに。まさに、「のど元過ぎれば熱さ忘れる」なのだ。でも、我々の意識、志の低さが、そういう輩を助長しているのは間違いないだろう。

こうした現状のどこに人類の未来があろうか、あるはずがない。だが嘆いてばかりでは、何の解決にもならない。

では、何をどうするのか。自分たちは、武道家である。日本の優れた肉体と精神の鍛練法である武道を追求する武道家である。特に空手は、西洋文化にはない、己を向上強化する深い体系と智恵がある。

残されている最後の砦として、活用すべきである。いつでもどこでも思い立ったらすぐに実践できる肉体と精神の武道だ。多くの人々がこれを日常とすることにより。失われた精神文化を取り戻すことが出来る。まさにこの本物の人間修行によって、これからの世界を変えうるのだ

戦いに勝利する為に、何をどう準備して、どう戦略を立て、戦術を吟味し、挑むのか。それが、世界の人類の生き様を変えていく。コロナとの戦いもしかり。人々の安全を脅かす勢力に勝ち残る手段でもある。生きるために何をすべきか。

今、我々は戦場の真只中にいるのだ!

風 雅遊